

ですので、親権者指定のない離婚届は受理されませんし、この点について、話し合いが整わなければ協議離婚は困難であると考えられます。
妻(母親)が除籍になったとしても子はそのまま夫(父親)の戸籍に残るため、母親が子の親権者になる場合であっても、離婚後の母親と子の戸籍はそれぞれ別々になってしまいます。
もちろん戸籍が別々でも親子関係は証明できますし、戸籍が別々の場合も母親が親権者であることに何ら問題はありません。
しかし、現実問題としては、
• 母親が旧姓に戻る場合、子どもと名字が違ってしまう
• 戸籍により母子関係を明らかにする必要がある場合、複数の戸籍を取得する必要が出てくる など
実生活において支障が生じる場面もあるかと思います。
そのような場合に、お子さんを変動後の母親の戸籍に入籍させるためには、家庭裁判所にて「子の氏の変更許可の審判」(家事事件手続法39条、別表第一の60)を得て、別途入籍届が必要となります(民法791条Ⅰ、戸籍法98Ⅰ)。
離婚後のご自身の名字、お子さんの名字をどうしていくのか、戸籍変動について実生活での影響も考慮しながら決めておく必要があります。
なお、婚姻していた当時の氏(名字)を名乗りたい場合は、離婚届と同時又は離婚の日から3か月以内に、いわゆる婚氏続称の届出(民法767条Ⅱ、戸籍法77条の2)をすることで可能となります。
ただし、この戸籍法77条の2の届出の効果は、同籍者には及びません。例えば、離婚により婚姻前の姓に復し新戸籍を編製した後、しばらくして気が変わり、婚姻時の姓を名乗りたい場合、家庭裁判所の許可を得てお子さんを入籍させるタイミングによっては、前記入籍届とは異なる入籍届が必要な場合もあります。