現実には、離婚するカップルのほとんどが、この協議離婚です。
協議離婚については、離婚に関して当事者間で合意し、市区町村役場に離婚届を提出することで離婚が成立します(戸籍法76条)。
他方、裁判離婚の届出については、訴えを提起した者(申立人)が、調停の成立や審判、判決等の確定した日から10日以内に届出が必要です。
この届出期間経過後は、相手方からも届け出ることが可能です(戸籍法77条、63条)。
なお、裁判所での手続きによる離婚の場合(協議離婚ではない場合)は、すでに成立、確定したことを届け出る「報告的届出」にあたりますので、証人2名の記載は不要です。
親権者指定のない離婚届は受理されませんし、この点について、話し合いが整わなければ協議離婚は困難であると言わざるを得ません。
また、離婚届には、離婚後の氏や戸籍変動について記載する欄も設けられています(民法767条、戸籍法19条Ⅰ)。
具体的には、離婚によって、夫婦の戸籍の筆頭者ではない夫又は妻の一方がその戸籍から抜ける(除籍といいます)ことになりますが、離婚後は婚姻前の氏(名字)に戻り、夫又は妻のみの新戸籍を編製するというのが一例です。
離婚の際に親権者と定められた方がこのように除籍となり、戸籍が変動する結果、お子さんの戸籍は親権者の戸籍とは異なるという事態が生じます。
お子さんを変動後の戸籍に入籍させるためには、家庭裁判所にて「子の氏の変更許可の審判」(家事事件手続法39条、別表第一の60)を得て、別途入籍届が必要にもなります(民法791条Ⅰ・Ⅲ、戸籍法98Ⅰ)。
離婚後のご自身の名字、お子さんの名字をどうしていくのか、戸籍変動について実生活での影響も考慮しながら決めておく必要があります。