こんにちは。子育て世代の行政書士 宮地です。
今回は離婚に関し、DVの問題について触れていきたいと思います。
私のブログを読んでくださっている方はご存じの方もいるかもしれませんが、
行政書士になる前は裁判所で書記官として勤務していました。
保護命令の申立て(DVによる接見禁止命令など)は、裁判所で扱っていますが
今回はDVかなと思ったら、これだけは意識しておいてほしいことを書いていきます。
DVを受け続けている場合、
・自分が悪いから暴力をふるわれるのではないか
・相手方と離れること、また離婚なんて到底できるはずがない など
思い込みを抱えた方も多くいらっしゃいます。
しかし、DVは法律上の離婚原因にもなるとされています。
民法では「婚姻関係を継続し難い重大な事由」がある場合に離婚を認めていて、
これにDVも該当すると解されています。
暴力を受け続けていると、身体や生命の危険だけでなく、精神的なダメージも大きいです。
お子さんのいる場合、お子さんにまで悪影響が及ぶ可能性もありますので、
まずは暴力の相手方から離れること、
第三者に相談されることをおすすめします。
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律、
いわゆる「DV防止法」に定義されています。
暴力は、殴る・蹴るなどの身体的暴力だけではなく、
精神的暴力や、性行為の強要などの性的暴力も含まれます。
こういった暴力は、家の中で行われることが多く、他の人に見つかりにくく、
「家庭でのこと」という認識から誰かに相談できない方も多くいらっしゃいます。
配偶者暴力(DV)とは、配偶者または事実婚のパートナーなど
親密な関係にある男女間における暴力のことをいいます。
窓口でよく質問されることもありましたが、親子であったり
親せき間の暴力の場合はDV法の範囲ではありません。
DVはあくまでも、配偶者であったり、
事実婚状態にある男女におけるものとして定義されていますので、
先ほどの例もそうですし、
単なる恋人同士の場合も法律の範囲ではカバーしきれていません。
DVかなと思ったら、まずは家族でもよいですし、友人でもよいので
誰かに相談してください。
ありきたりのように聞こえるかもしれませんが、
とにかく抱え込まないことが大切です。
DVについて、まず身近に相談する機関としては
■所轄の警察署(生活安全課)
■婦人相談所などの行政の相談機関
が挙げられます。
全国共通の電話番号(#8008)から
DV相談ナビサービスを通じて、各都道府県にある相談機関へ電話することも可能です。
DVについてさらに接見禁止や相手方に対する退去命令を求める場合は
お住まいの地方裁判所が管轄になります。
裁判所への申立てについては、ご自身で行うか、
誰かに依頼するとすると相談先は弁護士です。
裁判所の手続き全般にいえることですが、ご自身では手続が難しい場合、
誰かに間に入ってもらって相手方との交渉も全て任せたい場合は弁護士が専門です。
ただ、急に弁護士さんといっても、すぐに相談しにくいケースもあるかもしれません。
ご不安な場合は、弊所も行政機関への相談時にご一緒したり、
DVや離婚に詳しい弁護士さんへ橋渡しをさせていただくケースもあります。
先にも触れたとおり、裁判所で書記官として勤務していましたが、
もちろん守秘義務があるので個々の事案の内容については触れることはできません。
ただ、相談した先において
DV防止法に基づいて、いわゆる保護命令(相手方の接見禁止や退去命令など)を得ることで
永続的に守られるといった印象をもって、申立てをされるケースもあります。
正確には、保護命令に関して命令が出たとしても法律上も原則として期間限定ですし、
DVシェルターもあくまで一時的な施設であり、
緊急避難先としてはもちろん有用かと思いますが、
シェルターへ入居できただけでは根本解決にはなりません。
DV問題を解決していくためには、相手方を離れた状態が保てるよう、
物理的な距離であったり、独立した生活をどうしたら継続できるかを考えておく必要があります。
今回は、DVについて書いていきました。
DVかなと思ったら、必ず抱えこまずにまずは身近な第三者に相談してほしいと思っています。
身体面、精神面での回復はもとより、
相手方と将来的にも離れて生活していくにあたっては
ご自身の力だけでは難しい場合も多々あります。
ご家族だけではなく、第三者たる専門家の力を借りることで
少しでも安心できる未来につながればと思い、今回記事を書きました。
もし今、離婚やDVで悩まれている方がいましたら
いつでもご相談ください。
行政機関へのご相談や、女性としてお悩みを伺うこともできるかと思います。
とにかく悩まずに、誰かに相談してほしいと願っています。
【参照資料】内閣府資料