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離婚で「ひとり親権者」だけが抱える不安2020.09.28

1 離婚の際に親権者はどうなるか

2 親権者が一人となった場合,その先の話

2-1 ひとり親権者に万が一のことがあったら?!

2-2 将来の希望は,どんな風に残しておく?

3 最後に


こんにちは。子育て世代の行政書士 宮地です。

  

今回は,離婚して「ひとり親権者」となった方の抱える不安について書いていきます。

  

自分がいなくなった場合に親権者は誰になるのか,財産などの整理はどうしていくのかなど,制度的なご不安もおありだと思います。

制度的な部分と,今からしておける準備について記載しました。

   

最後まで読んでいただければ嬉しいです!

1 離婚の際に親権者はどうなるか

未成年のお子さんがいらっしゃる場合、夫婦が共同で行っていた親権は,離婚によって夫婦のどちらか一方がもつことになります(民法819条Ⅰ)。

  

これを「親権者の指定」といいますが,協議離婚のケースにおいても、裁判離婚のケースについても同じです。

   

親権者指定のない離婚届は受理されませんし、この点について、話し合いが整わなければ,そもそも協議離婚は難しいと思います。

離婚後の不安としては,

  

経済的な問題  お子さんの名字をどうするか  生活や引越しの悩み

  

など色々あると思います。

  

それに加え,将来の相続の不安もあります。

相続?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが,離婚と相続はまったく関係ないとも言い切れません。

  

将来に向けての準備として,「エンディングノート」の活用があります。

    

先日エンディングノートについて勉強会を開催してまいりましたが,自分自身にいつ万が一の事態があるかは誰にもわかりません。

  

「エンディングノート」とは,自身の万が一に備えて,

  ・主観的な情報(今の気持ち,家族への思い) と

  ・客観的な状況(財産や契約などの情報)

をあわせてメモしていくノートです。

  

心の中で思い描いていることは,「残す」「記す」のアクションを起こしていない限り,周りには伝わりません。

  

離婚によって親権者が一人になる分,ご自身に万が一のことがあった場合に,お子さんの生活について今までなかった不安も出てきます。

   

大丈夫かな?というご不安が少しでも軽くなるよう,親御さんや近しい親せきの方とご自身の状況をシェアしておくのが理想ですが,普段はなかなかそこまでしにくいです。

  

そこで弊所では,質問に答えていただくだけで必要事項が網羅されるようなエンディングノートもご年配の方だけではなく,若い方に向けてもご用意しています。

2 親権者が一人となった場合,その先の話

離婚する場合,ご両親のどちらが一方が親権者となることは先ほどお話しましたが,その親権者がなくなった場合,お子さんの親権はどうなるのでしょうか。

   

これについては,例えば親権者が死亡した場合については,親権者がいなくなったとして家庭裁判所に未成年後見人を選任をする申立てができます(民法838条)。

   
よく聞かれるのですが,ここで離婚したもう一方の親の親権が復活するのかですが,これは自動的には復活しません。

   

未成年後見人が最終的に誰がなるのか,心配もありますね。

2-1 ひとり親権者に万が一のことがあったら?!

「未成年後見人」に誰がなるのかというと,家庭裁判所への申立ての際は祖父母等の親族を候補者とすることが大半です。

   

お子さんが多額の財産を相続するような場合は,必ずしもご家族が選任されるとは限りませんし,何よりお子さんのためにもご自身に何かあったときのことを考えておく必要が出てきます。

2-2 将来の希望は,どんな風に残しておく?

何かあった場合に備えての生前準備としては,よく「遺言書」があげられます。

  

ただ,「遺言書」と言われてもそんな年齢じゃない!という方が大半だと思います。

    

年齢は関係なく,むしろお子さんが未成年の場合ほど遺言書を作っておいた方がよいケースもあるのですが,今回はそこはひとまずおいておきます。


今回は,今からでもすぐ書けるエンディングノートについてお話します。

  

エンディングノートというと堅苦しいですが,先ほどご紹介したように

   

 ご家族への思い

 現在の財産状況(不動産,銀行,クレジットカード,携帯電話契約など)

 亡くなった場合の葬儀の希望  など

  

を書き留めておくメモノートのように考えていただければ大丈夫です。

   

お子さんが未成年の場合は年齢にもよりますが,財産などについても親が管理していることがほとんどです。

   

祖父母の方とも同居とは限りませんし,万が一の時に自分がどのようなことを考え,どんな財産があり,どんな生活状況であったかは,親せきには非常にわかりにくいものです。

  

そういった場合に備えて,普段ご自身のこころの中にある気持ちを,文字に起こして残しておいてもらうのが「エンディングノート」です。

  

離婚によって親権者が一人になる分,ご自身に万が一のことがあった場合に,お子さんの生活や将来について今までなかった不安もあると思います。

   

そこを少しでもメモして書き留めておくと,万が一の際にお子さんを守ることにもつながっていきます。

3 最後に

今回は,「ひとり親権者」が抱える不安について触れました。

  

離婚後ももちろん何事もなく健康に過ごせていけるのが一番です。

   

ただ,万が一のことがないとは誰にもいえませんので,離婚前以上に将来を考えておく必要が出てきます。

  

私自身,エンディングノートの講座なども開催していますが,何かあった時に安心というのもありますが,作ってみることでご自身の契約や財産状況を整理することができます。

    

不動産や銀行口座などは比較的わかりやすいのですが,クレジットカードも複数持っていたり,最近はインターネットなどで

継続課金サブスクリプション)の契約をされている方もいらっしゃいます。

  

何かあった時に,そのまま課金され思わぬ金額になってしまうこともあるため,そういった意味でも,メモノートのようなイメージでよいので,エンディングノートを作っておくことをおすすめしています。

  

とにかく「こころの内側」をメモして,文字にしておくことです。

    

オリジナルの書式でもご案内していますので,離婚後の将来的なこともふまえ,ささいなことでもお気軽にご相談ください。

    

最後までご覧いただき,ありがとうございました。