こんにちは。子育て世代の行政書士 宮地です。
今回は,【年齢で諦めない!離婚後の就労(児童指導員編)】
というテーマで書いていきます。
先月のブログでは,保育士としての就職について書いていきましたが,
今回は,児童指導員編です。
離婚後の女性にとって,経済力と自立,就労というのは,
その後の生活を安定させる上で重要です。
今さら働けるのか・・・
と一瞬思う方もいらっしゃるかもしれませんが,
働くことに遅いも早いもありません。
実際に40歳,50歳を超えて新しい就職先で
バリバリ働いている方もたくさんいらっしゃいます。
離婚後の就労や自立に向けたテーマとして,
今回は「児童指導員」について取り上げてみたいと思います。
「児童指導員」といわれても,すぐにピンとくる方は少ないかもしれません。
「児童」とあるところからも,子どもと関わる職種となります。
児童指導員が実際に活躍している職場は,
児童福祉法に定められた児童養護施設や障害児入所施設,児童相談所などがあります。
児童の自立促進や生活訓練・指導等の支援を行うことがメインの職種ですが,
①児童発達支援
②放課後等デイサービス など
といった障害児通所の事業所でもたくさんの児童指導員の方が活躍されています。
①と②については,いずれも障がいを抱えるお子さんや
そのご家族に対する支援を行っていますが,対象となる児童に違いがあります。
①児童発達支援は主として就学前の児童を対象としていて,
②放課後等デイサービスは学校に通う児童を対象としています。
児童指導員として経験豊富な方だけではなく,新たに40代,50代から
キャリアをスタートされる方も多くいる分野です。
ご自身の思いや働く!というやる気次第で,
どんどんキャリアを積んで,児童発達支援管理責任者といった
重要ポストを目指す方も現実にいらっしゃいます。
児童指導員は,
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準43条に資格が規定されています。
「児童指導員」になるには,このような要件があります。
これは先ほどの基準43条をそのまま掲載したものです。
一 都道府県知事の指定する児童福祉施設の職員を養成する学校その他の養成施設を卒業した者
二 社会福祉士の資格を有する者
三 精神保健福祉士の資格を有する者
四 学校教育法の規定による大学(短期大学を除く。次号において同じ。)において、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
五 学校教育法の規定による大学において、社会福祉学、心理学、教育学又は社会学に関する科目の単位を優秀な成績で修得したことにより、同法第百二条第二項の規定により大学院への入学を認められた者
六 学校教育法の規定による大学院において、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専攻する研究科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
七 外国の大学において、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
八 学校教育法の規定による高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者、同法第九十条第二項の規定により大学への入学を認められた者若しくは通常の課程による十二年の学校教育を修了した者(通常の課程以外の課程によりこれに相当する学校教育を修了した者を含む。)又は文部科学大臣がこれと同等以上の資格を有すると認定した者であつて、二年以上児童福祉事業に従事したもの
九 教育職員免許法に規定する幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校又は中等教育学校の教諭の免許状を有する者であつて、都道府県知事が適当と認めたもの
十 三年以上児童福祉事業に従事した者であつて、都道府県知事が適当と認めたもの
この要件をすぐに読み解くのは難しいですね。
実務経験なしで,児童指導員になれる要件でよくあるものをピックアップしました。
◇小学校,中学校などの教員免許をお持ちの方 →幼稚園教諭もOK
◇大学で次の学部(学科)を卒業された方 →ただし,短大は除きます。
社会福祉学
心理学
教育学
社会学
これらの方は,実際に児童福祉事業での勤務経験がなくても
児童指導員としての資格が認められています。
要するに,これらの要件が満たされれば,
新たに資格を取得しなくても児童指導員の資格要件を満たしているので,
児童福祉の現場ですぐに「児童指導員」をして採用されることも可能です。
行政庁での認可業務に携わる身として,普段から
児童発達支援や放課後等デイサービスなどの
事業所訪問をさせていただく機会をいただいています。
その中で「児童指導員」の有資格者である方は,
支援現場でもメインとなる役割の一つを担っています。
運営上の基準人員でもあり,
障害児通所支援の現場でも児童指導員の需要はコンスタントにあります。
療育や支援そのものについてプロとしての視点はもちろんですが,
児童指導員が多く勤務することにより
その事業所に給付費がプラスされるという側面もあります。
保育士編のブログでも記載しましたが,
障害児通所支援における基準人員に加えて
児童指導員を配置して加算を取得することで,
行政から事業所へ支払われる給付費がアップするわけです。
来年の法改正により多少の制度や報酬改定も予想されますが,
障害児通所の現場でも児童指導員が
コンスタントに採用されている実情があります。
給料事情については,勤務先によって児童指導員の平均給与額の
調査結果が厚労省でも公表されていますが,
「児童指導員 地域名 求人」
という風に検索していただくのがわかりやすいかと思います。
時給募集もありますが,正社員として
月額20~30万円の給与で求人されている現状があります。
(2020年11月各社求人サイト調べ)
保育士同様,首都圏では月額30万円近くで求人されているところも見受けられます。
また勤務時間という意味でも,
多くの事業所が営業時間終了を夕方17~18時に定めていることが多く,
子育て中のママやパパが働く上でもよい環境ですね。
実務経験がゼロであっても,先ほど挙げた要件にあてはまれば
すぐにでも「児童指導員」として採用応募することが可能です。
活躍したい気持ち次第で,キャリアアップのステージも充実しているため,
これから新しい生活をスタートするにも良い環境になると思います。
今回は「児童指導員」について,書いていきました。
確かに,誰でも「児童指導員」の資格に該当するわけではありません。
ただ,離婚後の生活を安定させるためにも,就職や正社員への挑戦には
遅いも早いもありません。
資格をお持ちでない場合も,一定の勤務先での実務経験だけで児童指導員になることも可能ですし,
年齢が上であっても,逆に子育てやご家庭での人生経験が現場支援に活かせることもたくさんあるはずです。
なお,ひとり親の就労支援制度については,行政のサポート制度もあります。
離婚後の自立のためにも,離婚前から離婚後を見据えた生活設計をおすすめします。
弊所では,養育費を含めた離婚条件を書面化するサポートだけではなく,
離婚後の就労や自立に関してもお悩みを伺い,ご提案をさせていただいております。
ささいなことでもお気軽にご相談ください。
最後までご覧いただき,ありがとうございました。